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アウトプットすることの大切さ

2023/03/15
イーツーの日常

デザイン事業部の矢次です。

個人的に立ち上げた「BLACKFLAG」というHTMLとかCSSとかjQueryとかの技術系ブログを運用して12年間経ちました。

一つのことを長い間続けることで、どんな経験ができたか、この12年間で得たもの、感じたものなどについて、自分での振り返りの意味も込めて紹介してみようかと思います。

ブログをやって良かったこと

ブログをはじめたきっかけは、試しに作ってみたスクリプトなどの技術的なことや、便利そうなプラグインや、その時代の流行りのものなど、自分の備忘録としてメモしておきたいものをブログで発信しながら集めてみようと思ってはじめたものでした。

公開当初はそこまで多くの人に見てもらえるなんて思っていなかったので、ブログのデザインも記事の読みやすさなども特に重要視せず自分の好きなように作っていた記憶があります。

そんな軽い気持ちではじめたブログが12年もの長い間続いていることに自分でも驚いているほどです。

そんな12年を思い返して、まず良かったと思えることについて紹介してみます。

・思いもかけないほどの数の人に見てもらえた。
・自分の公開したスクリプトやUIが数多くのWebサイトで使用されることになった。
・ブログをきっかけで思いがけない経験が多々できた。
・ブロガー同士のつながりを持つことができた。
・広告掲載の経験ができた。
・ブログがきっかけで本を出版できた。
・ちょっとした有名人になれた。

軽い気持ちで立ち上げたブログでしたが、コツコツと続けていくうちに、これまでに900万ほどのPVと300万ほどのUU、という数の人に見てもらえるものになりました。

ただの備忘録としてはじめたものでしたが、数多くの人が見てくれるようになると、自然と自分のためからユーザーのためという意識にも変わり、発信する内容が徐々に変化していきました。

それによってブログをきっかけとして様々な方面からのつながりができたり、思いもよらない経験を数多くできたことが、12年間やってみてとても良かったと思える点です。

ブログが多くの人に認知されることで、制作依頼やセミナー登壇依頼、執筆依頼、広告掲載依頼などなど、ただの備忘録として自分の残しておきたいものをメモしておくためだけにやってみたブログが、思わぬ方向に大きく広がっていきました。

ブログをはじめる前はまさか自分が本を出版して海外で翻訳までされることになるなんて思ってもなかったことですね…

ブログをやって悪かったこと

これまでを思い返してもブログをやって悪かったと思うようなことはそんなに思いつきません。

あえて挙げるならば…

・平日夜や土日の時間に記事作成やコメント(問い合わせ)対応に追われる。
・思ってもいない要求をしてくる人がいた。
・ブログを攻撃されて被害を受けた。


たまに「HTMLやCSSを一から教えてほしい」とか、掲載しているスクリプトが「クライアントの要望を満たしていないからこういう仕様で作ってくれ」といった、質問の域を超える要望をしてくる人もいて、対応に困ることは少々ありました…

トラブルになるのは嫌なので、そういった問い合わせにも無視はせずに丁寧にお断りするように対応してましたが、そのようなちょっと困るようなことでも、どう対応すれば穏便にすませられるか、といった手段を考えるうえで、いい勉強になった気もしています。

ブログを続けたことで得たスキル

ブログを12年続けて得られたと思えるスキルは…

・発信力
・発想力
・スクリプトスキルの向上
・UI/UX
・情報収集能力
・顧客対応能力

こんなところです。

ブログを続けるには、ユーザーが今どのような情報を求めているか、流行り物などもふくめて最新の情報に対してのアンテナを常に張っておく必要があります。

Twitter、FacebookなどのSNSや、同じようにブログで発信している人からの情報だったり、情報収集の方法は様々ありますが、そういったものを使って日々いろいろな情報を集めておくことはブログを続けるうえでも大切なことです。

記事を書く際に、内容、読みやすさ、読んでもらうことで現状の問題解決だけでなく、その後の応用に至るまで活用してもらえるよう配慮することで、ユーザーに対してのUI/UXを深く考えることにもつながったと思います。

実際に自分の作ったものをアレンジしてWebサイトに活用してもらえたものを見たときにはとくに充実感がありました。

もちろん記事を公開するためにスクリプトを書いたり、いろいろと調べ物をすることが、そのままスキルアップにもつながったことも、この12年間で得たスキルとしては大きなものです。

ブログを見てくれているユーザーといろいろなやりとりをすると、無茶なことを言ってくる人もいますが、そのような人の対応をすることで、仕事でお客さんからのとんでもない要望がきた時などのストレス耐久性もついた気もしています。

もともと文章を書くことが得意ではないので、ブログを書くようにすればそういったところも向上するかと思いましたが、文章力に関しては思ったほど伸びていないと実感しています…

12年間続けたことでできた経験

ブログを続けたことで経験できたことは数が多すぎて挙げきれませんが、大きなものだと以下のようなものが思い出されます。

・ドメイン、サーバ契約など業務では担当しない分野を経験できた。
・サイト名、屋号、要件定義、サイト構成、デザイン、HTMLコーディング、WordPress構築など、サイト公開までのすべての工程を一人で担当。
・サイトデザインによる効果のA/Bテストを実験的にいろいろ試すことができた。
・今の流行りものや、ユーザーが求めているものがどのようなものか調査できた。
・公開用スクリプトを作ることがそのままスキルアップにつながった。
・問い合わせで届く要望に対応することが発想力の向上につながった。
・SEO対策の実験がいろいろできた。
・ネット上での有名ブロガーさんとの交流ができた。

あたり前のことですが、個人ではじめたブログなので、サイト名を何にするか、ドメインを何にするか、サーバはどこで契約するか、デザインをどうするか、自分の情報はどこまで公開するか、などなど、サイトを公開するために必要なものはすべて一人でやらないといけません。

そんなサイト公開までの一連の流れを、自分で調べながら体験しておくというのは、Web制作の仕事をするうえではとても大切なことですね。

ブログ公開後は、ユーザーのアクセス数を見るだけでなく、サイトのデザインによってPV数や滞在時間の変化を調査してみたり、タイトルの付け方によってSEOの変化を見てみたり、その時に流行っているものを記事にして公開後にSNSでどう広がっていくかを調査したり、ユーザーの行動などをチェックできるものとしても活用できました。

実験的にやってみたことをちょこっと挙げてみると…

公開当時の記事ページの背景色は黒で白抜き文字でしたが、長文を読むブログのような場合にそのような組み合わせは不向きということで、白背景に黒文字のデザインに変えてからPV数が増加した。

記事のタイトルを「AAに対するBB」から「BBに対するAA」を入れ替えることで検索順位が上昇した。

流行りの形状のスライダーのスクリプトを公開することで数多くのブログで紹介され数多くのWebサイトで実装された。

HTML5アニメーションが流行りだしたタイミングで対応プラグインを紹介することでSNSの拡散数が増加した。

などなど。

記事に対して検索で引っ掛けたいキーワードを盛り込んで、公開後にそのキーワードで検索すると、どれくらいの順位になるか、タイトルを変えることで順位は変わるか、といったSEOの実験的なこともできるのがブログのいいところだと思っています。

自分で作ったスクリプトをブログの記事にすることは、インターネット上のものすごい数の人に検証されるような状態にもなるので、ちょっと勇気も必要だったりします。

ですが、公開後にコメントや問い合わせで届く要望を聞くことで、自分には思いつかなかった視点や発想などがたくさんあり、それらの経験がすべてWebサイトを制作する際のアイデアや発想力の向上につながったとも思っています。

ブログならではの経験としては、その時代で話題(ブロガーにだけ?)にもなった、Gunosy砲やWebクリエイターボックス砲というのを体験し、サーバが落ちてあたふたしたり、LIGさん、すしぱくさん、NxWorldさん、OZPAさんといった知名度のある方から自分のブログを紹介してもらえたことで、SoftBankクリエイティブさんやGreenさん(株式会社アトラエ)、Wixさん、Udemyさんなどの大きな企業から執筆依頼や広告掲載や講師依頼の声をかけてもらえたりと、ブログをやっていなかったらできなかった経験やつながりも大きな財産になってます。

Gunosy砲が全盛期だった2013、2014年頃のアクセス数。
飛び抜けているところがGunosy砲やWebクリエイターボックス砲を受けたところ。
自分ブログは内容的に週末や夏休み時期や年末年始はアクセス数が少なくなるのが特徴でもあります。

12年続けて思うこと

ブログをはじめる前は

・自分が公開したものを使ったサイトで不具合が起こったらどうしよう…
・作ったものに文句を言われたらどうしよう…
・公開した情報が間違っていたらどうしよう…

などなど、いろいろな不安もある中でのスタートでした。

公開した後に、その不安に思っていたことが現実になったりもしましたが、それらをすべて自分で解決していくことで、不安に思っていたことも良い経験につながったと思っています。

12年間で記事に対する要望などのコメントや問い合わせが3000件ほどきていますが、それらに応えることで、自分で気がついていなかった注意点や、発想力の向上や、さまざまなパターンを想定して構築することができる思考能力など、自然と自らのスキルアップにつながっていったと考えています。

自分が一つのものをつくるのに、さまざまな角度から発想をすることができるようになったのは、そういった経験から鍛えられたものです。

最初に書いていた、自分の備忘録として始めたブログでしたが、続けていくうちにたくさんの人が見てくれるようになり、読む人への伝わりやすくするにはどうしたらいいか、どのような情報を発信すれば世のエンジニアさんたちの役に立つものになるか、といった公開する記事に対する目線が変わり、ユーザーのことを深く考えられるようになりました。

ブログを続けることは大変なことだったりしますが、公開した記事がSNSなどで拡散していく中や、記事のコメントで感謝の言葉をいただいたりして、自分が作ったものが見ず知らずの人に役に立ち、活用されていることを目にすると純粋にうれしさや大きな達成感があります。

そういったところから、次はどんなものを発信すれば役に立つものになるか、困っている人の助けになるか、という意欲やモノづくりの発想・アイディアを考えることにもつながっていきます。

アウトプットすることの大切さ

アウトプットの形はいろいろとありますが、自分でブログを立てて発信していくことは、Webクリエイターにとってはとてもいい経験につながると思っています。

※Webクリエイター:Webに関わる仕事をしている人のことを自分はこう呼んでいます。

自分には発信するようなスキルは無い、記事を書くのは苦手、めんどくさそう、などやる前にはあれこれ考えてしまうこともあるかもしれません。

やる前にいろいろネガティブなことを考えるよりも、とにかくやってみることが大切です。

ネガティブに考えていたこともやってみると必ずいい経験になります。

自分で発信したことが誰かの役に立ち、苦しんでいるエンジニアさんの助けになったときは、とても充実感があります。

アウトプットすることで自分のスキルアップや経験になるだけでなく、誰かの役に立てるなんてとてもステキなことですよね。

自分が困っていることは同じように困っている人がいる、自分がおもしろいと思ったものは同じようにおもしろいと思って共感してくれる人がいるので、どんどん発信していってみましょう。

文章を書くのが下手でもいいんです。
写真を撮るのが下手でもいいんです。
いいねをたくさんもらえなくたっていいんです。
拡散されなくたっていいんです。

ブログ、Twitter、インスタ、YouTube、なんでもいいので自分の好きなものを見つけてアウトプットし続けてみましょう。

すると、自然と自分のスキルアップになり、思いがけない経験につながったり、Webクリエイターとして生きていく中でとても大切なものになります。

自分の好きなことを自分の好きなペースでいいのでやってみましょう。

その代わり継続することが大切です。

思いがけない経験も自分から行動してきっかけを作らないと生まれないものなので、このWebの業界にいるからには自らの発信でWebの世界を楽しんでみましょう。

それがきっかけで人生が変わることだってあるかもしれませんよ…

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